活動記録










活動報告
7月31日、第1日目。受付で参加者を待ちながら、スマートフォンの天気予報でキャンプ期間中の天気を改めてチェックする。先日と変わらず「考えられない猛暑」とのこと。心の中でため息をつこうとした時、「おはようございます!」と元気な声。参加者がぞくぞくと受付へやってきた。「考えられない猛暑」にふさわしく(?)みんな、きらっきらの笑顔で宿題にしていたロープワークを見せてくれた。
ジュニアキャンプのメンバーと一緒に本部広前に参拝し、金光様の御取次を頂いた後、教庁に移動し、荷物のパッキングと開会式を行う。今回は男子3名、女子5名、スタッフ6名の計14名での無人島キャンプ。貸与したバックに荷物を詰め替え、いざ出発!途中、休憩をはさみつつ港へ到着。潮が引いており、船が予定の場所まであがれなかった為、急遽桟橋まで荷物をピストン輸送。船が出発して海風にあたり、やっと汗がひく。船にゆられること約15分。岡山県笠岡市にある「梶子島」に到着。真っ白の砂浜に船が着く。「おォ~」という歓声と共に、全員で荷物を降ろす。
一切日陰がないので、早速設営にかかる。島を登った所に立派なサイトはあるが、今回は下の砂浜でキャンプをすることにした。大急ぎでターフとトイレを設営する。「女の子はわざわざ上のトイレまで行くかな~」と、心配していたが、汗だくで掘ったトイレを一番に使ったのは青春真っ直中の女子参加者であった。
1日目のメインの活動は鶏肉の解体と調理。氷詰めにしてきた丸鶏を班に2羽渡す。意外にも、たった一度のレクチャーで、ほとんどの事を理解した様子の参加者。ほとんど手を出すことなく、いつものお店で見る状態に解体してしまった。ガラスープを取った後の骨に付いた肉もきれいにこそぎ、全部で4種類もの鶏肉料理ができた。
8月1日、第2日目。波の音で目を覚ます。朝食はおしゃれにパンケーキの砂添え。昨夜の夕食から気づいていたことだが、食事に砂が入るのは否めない。水の節約の為に、洗い物は全て海。これも今年のキャンプでしか出来ない経験だと受け入れる。
食事と朝礼を行い、午前の活動が始まる。担当スタッフに釣りの方法を教わる。餌の付け方、ルアーの投げ方、ヤスの使い方。しっかり学んだら早速海へ。ヤスを持って潜るグループ、投げ釣りをするグループに分かれ、獲物を狙う。私も男子参加者とバディーを組み潜ったが、私の分だけヤスがない。その参加者は「撃てば当たる」の精神らしく、彼の前を泳いでいても後ろを泳いでいても、ヤスを放つ「ザッ、ザッ!」という音が、海の中の私の耳に絶え間なく伝わってくる。〝生きた心地がしない″とはまさにこのことだと痛感。
この日の課題は、獲った獲物で料理を作ることと、クラフト(工作)の作成。夕飯には自分達で獲った魚料理が自慢げにテーブルの真ん中に陣取っていた。夕立が来た。洗濯物を取り込んだ後、参加者たちは天地の恵みを無駄にはしなかった。ターフをゆるめたり、コッフェル(鍋)をテントの外に出したりして、その雨水で、海水で疲れた体を洗ったり、思いっきり顔を洗ったりしていた。キャンプをすると、難しく考えなくても天地の恵みをダイレクトに感じたり、受けたりする事が出来る。一人でも多くの子供に、一度でも多い野営経験をさせたいと改めて感じた。夜の活動はだんらんの火。浜辺で火を囲み、自分の夢や思っている事を語り合った。優しい波の音と、星に見守られ、素直に自分の事が話せているなあ、と参加者の表情に感じる事ができた。
8月2日、第3日目。今日は一日狩猟活動。夕飯の配給は基本的に米と調味料のみ。おかずは配給しないので、余っている少しの食材と自分達で調達した獲物で料理を作る。きちんとした食事になるかしら、と心配していたが、今からの成長が楽しみな小さな魚たちのおかげで驚くほど充実した食卓になり、命を頂くという事をまっすぐに感じることの出来る夕食となった。
夜はお待ちかねのキャンプファイヤー。それぞれに思い思いのソングやスタンツを発表して大いに盛り上がった。のだが、一斑だったため30分程度で終了。物足りなかったのか、その後、班会議や就寝準備をし、スタッフ会議も終わり団欒していると、参加者がスタッフサイトの前に整列。何事かと思うと「今からキャンプファイヤーの2次会を行うので、スタッフの方も強制参加です」と。スタッフが考えたら絶対にあり得ない様な、`動′`動′`動′の構成のキャンプファイヤーは大盛況の内に幕を閉じた。その頃スタッフサイトでは15センチオーバーの島ネズミが、ここぞとばかりに開けかけた缶詰をあさっていた。「こんなに素晴らしい夜はない!」私たちも島ネズミも、同じ思いを胸に、眠りについた。
8月3日、第4日。最終日。撤営にかかる。`残すものは足跡と感謝のみ′をモットーに、ビーチクリーンもしっかりとさせて頂いた。みんな「もう終わるのか」とか、「もう一泊したいな」などと口にしていたが、船が見えた時の目の輝きと言ったら、この4日間の中でどこでも見たことの無いものであった。最初は気持ち悪かった島ネズミも、見納めかと思うと、少し寂しい己の感情にとまどいつつ、島を離れる。
一班での活動、炎天下での食材の管理、海での活動。不安も多かったが、沢山の祈りと自然の恵みを、いつも以上に感じていた今年のキャンプだった。
(報告・庶務副長 砂野昌子)
参加者の声
宮野 道咲(山口・下関北)
アドベンチャーキャンプに参加して
今回のキャンプは、今までで一番心に残ると思います。6年間の締めくくりということもありますが、様々な点で、今までと違っていて、とても楽しく、とても厳しかったからです。
まず、環境。初めてのこの海でのキャンプで、砂の上に立てるテントや、波の音を聴きながら寝ること、そして、お風呂もシャワーもないこと。思っていた以上に過酷だったけど、「これこそキャンプだ!」と気合も入りました。疲れた時に聴く波の音は、いい子守歌になりました。
また、海に潜って魚を獲ったのも初めての体験で、心に残っています。あんなにたくさんの生きている魚たちを間近で見たのは初めてで、さっきまでピチピチ動いていた魚を自分でさばいて頂くのも、初めてでした。命を頂いて私達が生きていることを改めて感じ、魚の命と向き合うことで、食べ物の命の大切さ、自分の命の大切さも、感じました。毎日たくさんの命を頂き生きているので、キャンプで感じた命の重さも日々感じながら生活していきたいと思います。
隊歌の他にテーマソングがあったのも、今回が初めてでした。キャンプの雰囲気にすごく合っていて、キャンプ中は皆で歌ったり、食事の準備の時や自由時間に口ずさんだり、キャンプの間はずっとどこかからテーマソングが聞こえてきました。テーマソングがあったおかげで、より心に残り、また、この歌を聞く度に今回のキャンプのことを思い出すと思います。
今まで6年間、キャンプをさせていただいて、心も体もすごく鍛えられました。また、多くのスタッフ、リーダーの方のお世話になりました。本当に、感謝しています。ありがとうございました。