活動写真
活動報告
教祖様ご生誕二〇〇年少年少女全国大会年代別キャンプは、開始前から波乱の予感。台風が日本列島に強大な勢力をもって迫っていた。ニュースを聞きながらため息を必死に飲み込む。天地のお働きの上でのこと、不足は言えないが心にどこか影がおちる。このままでは年代別キャンプはおろか、全国大会自体が中止になるかもしれない。高校生ながらに忙しい日程にお繰り合わせを頂き参加を決意した六名の参加者のことを思うとやるせない気持ちがこみ上げる。
八月六日第一日目、相変わらずの台風情報に、始まる前からあきらめにも似た気落ちを抱えながら受付にて参加者を待ち構える。しかし、いざ受付にやってきた参加者の顔は一様に明るく楽しげだった。
参加者全員が無事受付を終え、スタッフと共にジュニアキャンプのメンバーと合流し、本部広前へ参拝。金光様のお取次を頂く。この度は指導者五名、参加者六名、計十一名の少々こじんまりとした人数となったが、御神縁によって繋がったメンバーである。アドベンチャーキャンプの全体のテーマは「繋がる」。十一名でこのテーマのもと蒜山高原を舞台にキャンプに臨む。
参拝後、開会式、班編成、装備のパッキング、昼食を済ませいよいよ出発。
バスにゆられ到着したキャンプ場にて、車両から資材と携行品をおろし設営。昨年の無人島キャンプのように猛暑に苦しむことはなかったものの、常に天候の変化を気にかけながらの設営となった。設営が終了すると、やっとの思いで立てたターフの下で隊長と教育副長と共にオリエンテーション、その後班会議が行われ一日目の活動は終了する。
夕食をすませ、癒しのシャワータイムであるが制限時間は十五分。それを聞いた隊員から「えぇっ!」と戸惑いの声があがったが、実際入ってみると「意外と余裕だった」と不思議そうにしている顔が可笑しかった。
夜、スタッフ会議にて登山計画の大幅な変更がなされた。当初七日から八日にかけて上蒜山から中蒜山、下蒜山へ縦走する一泊型の登山計画であったが天候の急変を考慮し、一日型の計画に。本来の活動計画を体験させたいが、判断を誤り活動のメインである蒜山登山自体が頓挫するのだけは避けたい。残念であるが、スタッフ総意で決定した。
八月七日、第二日目いよいよ登山へ。バスにて移動し、ストレッチ、記念撮影の後隊歌、テーマソングを歌い気合十分にアタック開始。
まず、バスが止まっている駐車場から登山道入り口を目指す。歩くこと二十数分やっと登山道入り口に。ここからがスタートだが早速水や飴を口にする姿がちらほら。大丈夫だろうか。下見の段階で二合目までが少々きついことがわかっていたので歩くペースをできるだけゆっくりなものにしながら進む。登山は一汗かくまでが辛い。十数分おきに休憩を取り入れる。一見こまめにとりすぎのように思えるが、身体が順応するまでに無茶な登り方をすれば必ず途中でダウンする。それぞれに登るペース、体力に差があるため全員踏破のためには疲れたと感じる前に休憩を挟む必要があった。
そうして段々と荒い呼吸が収まってきたのは三合目を越えたあたりからだ。そこからは視界もひらけ、眼下に蒜山高原の景色が広がる。「さぁ、ここからが正念場」思えば台風が接近しているにも関わらず、澄んだ青空に入道雲がわき、涼風かける絶好の登山日和のおかげを頂いている。金光様の御祈りのすごさとはこれほどまでか、と驚かずにはいられない。そして登れば登るほど小さくなる裾野の景色を見下ろしながら、また先に続く山道につながる上蒜山の頂を見上げながら、雄大な自然のなかにあって自分は本当に小さいという感動がせりあがってくる。野外活動の中で感じる「自分は小さい」「人間は無力だ」という思いは決して悲観的なものではなく、天地自然の中に確かに抱かれて生きているんだと確信する大きな喜びである。だからこそ子供達を野外へ、と願いを立ててこれからも活動を展開していかなければならないと強く思った。
上蒜山山頂に到着して昼食をとる。途中口数がへり、能面のような顔で淡々と登っていた参加者も突然元気になる。腹が減ってはなんとやらで、満たされたお腹に満足気な顔をみるにまだまだ大丈夫そうだと安心した。
上蒜山山頂からは中蒜山山頂へ縦走する。尾根伝いになだらかに続く道には笹原が続きそれを揺らしながら風が渡る。「風って涼しい」後ろから隊員のつぶやきが聞こえた。いたって当たり前のことだけれど、日常生活の中ではきっと気にもとめていなかったのだろう。
風は涼しい、太陽は眩しい、土は柔らかい、水は美味しい。そんな、なんでもないようなことが文字通り身にしみてわかったのだろう。
その後順調に歩を進め中蒜山山頂に到着。下蒜山は目指さずここから下山を開始する。下山のほうが身体への負担が大きいのか、苦しそうにする参加者の表情を案じつつも曇りだした空の様子に下山を急いだ。全員無事下山したが、直後見計らったように驟雨にみまわれる。その後雨足は弱まることなく激しさを増し、サイトに帰営し夕食準備にとりかかろうとした時には息苦しささえ感じる圧迫感のある激雨となり、隊長の判断で御霊地への引き上げが言い渡された。急いで撤営を開始。辺りは既に暗く雨はなお激しく降っている中で懸命に撤営作業をすすめ、濡れ鼠のままバスに飛び乗り一路御本部へ。
夜遅く本部に帰り着くと、私達の受け入れが万端整えられていた。急遽決まった私達の帰着にあわせ、いったいどれだけの方々が奔走してくださったのだろうか。目に見えないところで多くの人に支えられて活動していたことを改めて感じる。 http://www.buytadalafilonline20mg.com
登山の疲れ、予定外の本部への移動で疲弊した身体を布団にあずけ、就寝。
八月八日第三日目。午前中は昨日車両に手当たりしだい詰め込んだ資材の整理が行われた。テントを干し、資材の数を確認、食材の整理、洗濯、ゴミ出し等々、一つずつ丁寧にこなしていく。午後からは蒜山キャンプ場で予定されていた「染物」と「燻製」の活動が聖ヶ丘キャンプ場にて行われた。大いにはしゃぐ姿に、与えられた環境で、それがどれだけ限られたものであってもその中で楽しむ術を見出し、喜びながら活動する参加者たちの姿がまぶしかった。
祭場南のスペースにてジンギスカンをメインに夕食をいただき、夜にはキャンプファイヤーを行った。残念ながら実際の火ではなくランタンの明かりでのキャンプファイヤーであったが大いに盛りあがった。笑い声が響き、だんだんと終わりが近づくキャンプに少しの名残惜しさを含んだ雰囲気の中、参加者とスタッフがそれぞれ未来に抱く願いを語った。
こうして明日一日を残して、最後の夜を過ごした。
最終日、最後の活動であるシルバーアクセサリー制作に取りかかる。黙々と作業する姿は、今までにないほどの集中力と真剣さだった。くすんだ色の粘土が本当に銀になるのか、甚だ疑わしいが、形成し、焼き、磨けば本当にキレイな銀色になった。手作りの歪さが逆に味となってなかなか素晴らしい出来栄えだった。
六名という少人数、大きな予定変更の連続、異例尽くしのキャンプであったが、その中で逞しく活動した参加者達。テーマソングの一節に「幻なんかじゃない 人生は夢じゃない 僕達ははっきりと生きているんだ」という言葉がある。隊長はこの曲に参加者への願いを託し、テーマソングにしたという。参加者達が今後それぞれの人生を神様に向かいながら願いを立て、雄々しく歩んでいく中で、今回のキャンプでの経験がいきてくれればと思いながら全日程を終了した。
(報告・庶務副長 牛尾晴江)
参加者の声!
アドベンチャーキャンプに参加して - 岩本 琴華(福岡・新田原)
初めてのアドベンチャーキャンプで、ジュニアキャンプの時より大変なのかと思っていたけど、自己判断で動いたり、ジュニアキャンプで学んだことが役に立って、活動しやすかったです。なので、何をするにも、前々から準備をしておくことで様々なことが出来るのだと分かりました。
一日目は、何をするにも少しずつの積み重ねが大事だと思いました。キャンプをするには、まずテントがなければ寝ることも、雨や風をしのぐことも出来ないし、ゆっくり休むことができません。そしてテントの周りの溝も掘らなければ、テントの中に雨が入ってきてしまうので大変でした。
二日目は、登山を通して、人と助け合い、努力と根性を持つことが大事だと分かりました。どんな状況や場所でも、お互いに助け合ったり声をかけあうことで困難を乗り越えることができました。そして、頑張ろうという気持ちを持つことで、苦しいことも楽しく感じられました。下山したら雨が土砂降りで、急遽山を下りることになって残念だと思ったけど、来年は晴れて山の中で三日間過ごせるといいなと思いました。
三日目は、どんなことにも焦らず、正確にすることが大事だと分かりました。私はあわてて行動していて、状況をしっかり判断できずに失敗ばかり重ねてしまいました。だから落ち着いて行動できるようになりたいです。この三日間で、たくさん気付くことがあり、自分はまだまだ学ぶことが多いと思いました。そして、いつか自分が人のお役に立てるような人になれるといいです。
四日目、一緒に過ごした人達に感謝して、またその人達も元気に過ごせるようにお参りできる人になりたいです。来年、もっと成長した自分でキャンプに来させて頂き、もしかしたら新しい人と会えるかもしれないので、その出会いも大切にして、新しい自分を見つけたいです。家に帰っても、家のお手伝いをしたり身の回りの整理整頓をして、身も心も神様に日々信心できる人にならせて頂きたいです。