第2回 バードキャンプ 聖ヶ丘野営場(ご霊地)

バードキャンプ

令和六年三月二十九日から三月三十一日にかけて、聖ヶ丘野営場において小学四年生から六年生を対象とした【第二回年代別バードキャンプ】が実施された。二十八名の隊員の参加を頂き、かわせみ班、うぐいす班、めじろ班、つばめ班の四班編成でキャンプを実施した。

 第一日目は本部教庁一階ホールにて受付の後、聖ヶ丘野営場へ移動し開会式を行った。晴天の中、野営場に生えている桜のつぼみはまだ固そうではあったが、気温は二十度を超えており、春の始まりのような中での開会式となった。隊員たちは緊張した様子だったが、インディアンの酋長に扮装した野営長の姿を見て笑顔になり、緊張もほぐれていた。野営長は挨拶の中で「最近の子は天地自然を汚いと感じたり、自分とは関係ないと思ったりで、大切にしてくれる子は少ない。けれどもそんな中、わざわざ全国各地からこの森へ天地自然と触れ合いに来てくれてありがとう」と隊員に感謝の言葉を伝えていた。

 今回のキャンプは、三日間で二つの隊活動と六つのチャレンジコーナーに挑戦する。チャレンジコーナーや各種ゲームでの表彰はもちろん、隊指導者が素晴らしいと感じた隊員を表彰し、班に表彰綬が授与される。隊員たちは最優秀班を目指し、三日間に取り組んだ。

 開会式後、一つ目の隊活動である【遥照山ピクニック】を行った。杖を片手に、遥照山の登山道入り口から約一時間かけて頂上の展望台を目指した。頂上では気持ちの良い風が吹いており、皆で御本部の会堂や祭場を探した。夜には、自己紹介をテーマとしたすごろくを使い、隊員たちの親睦を皿に深めた。お風呂は境内休憩所の浴室を使わせていただき。就寝は野営場にあるパオと呼ばれる木製テントで体を休めた。

 第二日目は、午前中に【トライアルゲーム】と【苔玉作り】、午後は【インディアンアクセサリー作り】と【野外調理】のチャレンジコーナーに挑んだ。トライアルレースでは、段ボールで作られたフリスビーと木の枝で作られたパチンコ、そして隊員自らが厚紙で作るブーメランを使い、点数の書かれた的を狙ったり、投げたブーメランをキャッチするというゲームを行った。苔玉作りでは、土を丸めるところから始まり、豊富な種類の苔から自分好みの物を選び、苔玉に植える苗木も様々な種類から選んだ。苔玉が崩れないように糸を巻き付ける等の難しい作業は隊員同士で協力して行っていた。インディアンアクセサリー作りでは、細い竹の枝で作ったビーズやどんぐりを使って、ブレスレットとネックレス、厚紙を使って作るカラフルな髪飾り、大きなビニール袋を使ってインディアンのベストを作った。左右対称の模様になるように考えてビーズを使ったり、自分の好きなキャラクターを描いたり等のデコレーションを施した。野外調理では、薪となる木の探し方、かまどでの薪の組み方を教えてもらい、実際に組んでみた。火を起こす際は、ファイヤースターターというマグネシウムの棒と金属を擦り合わせて火をつける道具を使用した。自分たちで火を付けて、火力の調節をしながら作ったポップコーンを隊員たちは笑顔で頬張っていた。

 二つ目の隊活動である【キャンプファイヤー】では、休憩時間や少ない隙間時間に班ごとに練習し準備したスタンツを披露した。頭や体を使ったゲームや歌を歌ったりして、最後の夜に相応しいひと時となった。

 第三日目は【トーテムポール作り】と【スラックライン・ボルダリング】を行った。トーテムポール作りでは、竹にそれぞれ絵具で絵を描いたり色を塗ったりした。最後には班ごとにトーテムポールを積み上げ、二日目に作ったインディアンアクセサリーを身に着け全員で集合写真を撮った。スラックラインとボルダリングでは、最初は怖がっている隊員もいたが、隊員同士で応援や励ましの言葉を掛け合い、最後には全員が笑顔で挑戦していた。

 隊活動やチャレンジコーナーに二十八名での集団生活という、普段とは全く違う生活の中で、隊員たちはぐんぐんと目に見える成長をしていった。「ありがとう」が言えなかった子が言えるようになったり、中々他の隊員と話せなかった子が話せるようになったり、進んでリーダーの手伝いが出来るようになったりと、三日という短い期間ではあったが、何にも代えられない三日間であったと思う。

 閉会するまで三日間素晴らしい天気に恵まれ続け、三日目には桜の花もちらほらと咲き始めていた。なにより、大きな事故や怪我もなく、途中でリタイアする子もなく無事にキャンプを終了することができたのは、神様、金光様はもとより、全国の先生方、信奉者の方々の篤き御祈念があってこそと思わせていただいた。最後には、野営長からのお言葉を頂いて、三日間共に過ごしてくれた仲間に対して、三日間お世話をしてくれたスタッフに対して、そしてずっとお世話になっている天地自然に、隊員全員でお礼をして解散となった。 「また来年も必ず来る」「夏のジュニアキャンプにも行く」という声が所々から聞こえてきたことが何よりもありがたかった。これからを楽しみにしていきたい。

(報告・庶務副長 鈴木一監)

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